2月鳥取市議会:伊藤議員、岩永議員が討論

鳥取市議会2月定例会の討論

今定例会では、新年度予算をはじめとする74議案が提案されました。さらに、新型コロナ対策の追加提案もあり、伊藤幾子議員が新年度予算と市有地売却の議案についての反対討論を、岩永安子議員が新型コロナ対策予算についての賛成討論を行いました。それぞれの討論内容を紹介します。

伊藤議員・一般会計予算など五議案反対討論

私は、日本共産党市議団を代表して、議案第1号一般会計予算、議案第4号国民健康保険費特別会計予算、議案第17号水道事業会計予算、議案第51号国民健康保険条例の一部改正について、議案第65号財産の処分について、以上5議案に反対する討論を行います。

初めに、新型コロナウィルス対応のことで、ひと言述べさせていただきます。
新年度の歳入では、名目賃金指数が回復傾向にあることに加え、有効求人倍率が高水準を維持しており、納税義務者も順調に増加していることから、個人市民税では対前年度で1億3,045万円の増が見込まれた予算となっています。
本市では、個人市民税の減免実績が平成29年度10件、平成30年度10件、令和元年度22件と、3年間で42件あります。そのうち40件が生活保護の利用となったことによる減免ですが、条例では「特別な事由があるもの」に対しても減免できることになっています。
今、市民の暮らしや営業が新型コロナウィルスの影響で、先行きが不透明な中で新年度を迎えるという状況です。ぜひとも、住民税の減免制度や納税猶予など、適切かつ柔軟な対応をしていただくよう求めます。

さて、新年度は「市政改革プラン」の初年度となります。「質の高い市民サービスの提供と効率的な行政経営の両立」を目的とし、様々な取り組みが計画されています。「障がい者雇用率の拡大」や「女性活躍の推進」など、積極的に進めていただきたいものはありますが、更なる外部委託や民営化などが含まれており、その流れには賛成できません。
また、個人番号カード関連事務費として約1億1,600万円が計上されています。そもそもマイナンバー制度は、所得や資産、税や社会保障給付などの個人データを政府が一括して把握することで、社会保障給付の削減などを進めようとする狙いがあります。これを本格的に行おうとすれば、行政機関だけではなく金融機関等にも利用を広げることになり、所得や資産にとどまらず、戸籍や病歴など、多くの個人情報が本人の同意なしに広がってしまうリスクが高まります。国は新年度末には40%まで個人番号カードの交付率を高めたいようですが、積極的に交付率を上げる必要はありません。
それから、4月から会計年度任用職員制度が導入されますが、すべて短時間勤務の会計年度任用職員となっています。現在、フルタイム勤務の人は引き続きフルタイムにすべきです。

次にGIGAスクール構想事業費では、3,600台のタブレットが整備されますが、国が出すお金はハードだけです。後は自治体の持ち出しです。活用計画の検討はこれからということも、本来の順序から言えば導入ありきと言わざるを得ません。
しかも、ただ単に1人1台にタブレットを整備するという話ではありません。この事業が、Society5.0時代を担う人材投資ということからも、教育の目的がまさに人材育成とされていることに問題があると考えます。「個別最適化」と言いながら、結局は「能力主義」に基づく学習が進められるということにつながるおそれがあります。一人ひとりの子どもたちの成長を願い、日々教育に携わっている教職員の方々の思いや願いを生かす教育にはならないと思います。そのことは指摘しておきます。

続いて、国保に関する議案第4号及び第51号です。
まず、国保料の賦課限度額の上限が、医療分2万円の引き上げで200世帯420万円の負担増、そして介護分1万円の引き上げで120世帯130万円の負担増となる予算となっています。賦課限度額を引き上げるかどうかは自治体の判断で決めることができ、本市には16億円の基金があります。国に倣う必要はありません。

それから、今年度に続き、新年度も基金から3億円を繰り入れて保険料率を据え置くという予算案ですが、平成30年度2月議会では基金繰入金1億円の減額補正、今議会でも基金繰入金3億円の減額補正です。だから16億円も貯まるのではないでしょうか。使うはずだった基金を活用しての保険料引き下げを求めます。
尚、新型コロナウィルスの対応について、国保の短期保険証の対象者に通常の保険証と同じく7月31日までの有効期限の保険証を送付していただけるということで、これは市民の立場に立った対応です。新年度においても、短期保険証の郵送を望みます。

議案第17号水道事業会計は、生計費非課税の立場から飲み水に消費税が転嫁されており反対です。
尚、上水道と簡易水道料金の一本化に伴い、福祉施設などの料金が大きく跳ね上がります。市長部局でも構いません。減免制度をつくることを求めます。

議案第65号は、砂丘西側にハイクラスのホテルを建てることを前提とし、1億2,000万円で市有地を売却する議案です。この土地の活用が長年の懸案事項だということでしょうが、ハイクラスのホテル建設のために市有地を処分する必要が本当にあるのでしょうか。
国を挙げてのインバウンド政策ですが、ひとたび何かあれば大きなダメージとなることは現在の状況を見ればわかります。賢明な判断ではないと考えます。

以上、反対の主な理由をのべて討論とします。

岩永議員:議案第85号一般会計補正予算に賛成の立場で討論

今回、新型コロナウィルス感染が拡大する中、緊急一律休校に際し、自宅で世話することができない子どもたちを預かっていただいた放課後児童クラブの開所に伴う経費をはじめ消毒薬の配備、市内すべての保育園にマスクや消毒液を配備するほか、障害福祉サービス事業者におけるテレワークの導入への助成など、総額5450万3千円、必要な予算と認めます。

放課後児童クラブ開設費用は、朝から開設したクラブ60か所は長期休養日数を16日増やして委託料金を、朝から開設してないクラブ7か所は平日16日をふやして委託料金の支払いを、早速3月24日に振り込むなど、年度末のお金の少ない時期ということを理解していただいた対応と考えます。

保育所や学童クラブへの消毒薬やマスク支給については、手に入りにくい時であります。現物支給などくれぐれも物がいきわたったことを確認していただき、長期化するとみられておりますだけに、次の支給時期を見落とすことなく、国への要望していただきますようお願いします。また、今回、全額国庫補助金ですが、クラブの要望に沿うための消毒薬やマスク支給には、十分な額ではないようです。今後も、補正予算の増額されるよう望みます。また、国保の傷病手当制度をつくることの報告があったようです。安心して療養できるような休業補償制度を求めます。また、コロナ対策に終わらせることなく、一般の病気休業にも対応できるよう検討してください。

先日、商工会議所が行った企業活動の影響調査によると、9割が「マイナスの影響が出ている」または「今後影響が出る可能性がある」と回答しています。「1~3月期の売上減少が4割」とあります。市民団体が商工業者に行った聞き取り調査では、「お客さんが来ない」、「お客が来なくても経費(電気・家賃)がかかる」「中国から衛生機器が入らないため、新築工事が延期、リフォームなどもストップしている」など、切実な声を聴いています。

引き続き、市民に寄り添った対応をお願いして賛成討論とします。

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